
さてさて、ウマヅラハギからニザダイ、アミモンガラ、
さらにはアメフラシへと、
話がかなり横道にそれてまいりましたので、
このあたりで一度もとに戻してみたいと思います。

というわけで、こちらは安戸池(香川県東かがわ市引田)。
ハマチ養殖発祥の地。
昭和3年、野網和三郎氏が、
世界で初めてハマチの養殖に成功した、
歴史的な場所であることは、
これまでにご紹介させていただいたとおりでございます。
以後、長きにわたり「安戸池」は、
養殖場として、また観光地として栄えたわけですが、
時は移ろい、
現在、引田でのブリ(ハマチ)養殖は、
沖合いへとその場所をかえております。
では、その後の安戸池はといいますと・・・。
ジャジャン!!
桟橋がかけられ、
放流したハマチ、カンパチ、タイ、
また多くの種類の天然魚が泳ぐ、
巨大な管理釣場「フィッシュフック」となっております。
ワー!ワー!

餌釣り、ルアー、どちらも楽しめる人気の釣り場。
また、海と魚の体験学習館「マーレリッコ」では、
エサやり体験などができちゃいます。
ワーッ!ワーッ!

皆様もハマチ養殖発祥の地で、
楽しい一日を過ごしてみてはいかがですか?

■安戸池釣場「フィッシュフック」
詳しくはコチラをどうぞ。
⇒ 【㈱ソルトレイクひけた】

漁師さんから「食べてみよう」と誘われたアメフラシ。
・・・・・。

ワタクシ、大抵のものなら漁協魂全開で、
ひるむことなく食する自信はあるんです。
しかし、アメフラシだけは・・・。
以前にも何度か食べようと試みたことはあったのですが、
そのネロネロの肌触り。
そしてぷよぷよの質感。
さらには、危険を感じてどこからか、
ジュワッと出してくる紫色した謎の液体。
それらすべてがダメなんです。

触ることならできるけど、
食べるとなると別問題。
とくに料理はしたくない。
ゆっくり動くアメフラシを、
包丁でズカバカ切っていくなんて・・・。
考えただけでも気持ち悪そう。

しかし、アレですよねぇ。
今度「いいサイズ」のを調達してくると、
はしゃいで帰っていった漁師さんの笑顔を思い返すと・・・。
やっぱり食べないわけにはいかないんでしょうねぇ。
漁師さんが「アメフラシ」を持って、やってくるのはいつなのか。
ムムムムム。

なんだか落ち着かないなぁ。



「おい、アレ食べてみんか?」
いきなりですが、
とびっきりの笑顔で漁師さんが話しかけてくるわけです。
で、そのアレというのがコレなんです。

「アメフラシ」
港の中の石垣なんかにナメクジみたいにネロッといるやつ。

引田では「アメフラシ」を食べる習慣はありませんが、
地域によっては普通に食べてるトコロもあるんですって。
「ワシ、食べ方聞いてきたんや」
やる気マンマンの漁師さん。

「やってみるか?」
そうですねぇ。

「食べてみるか?」
アハハハハ。

「どうする?」
せっかくなので・・・やりますか。

押しの強さについに根負け。
「よし、今度つかまえてきてやるわ」
はぁ、ぜひ。

「よしよし」
というわけで、「引田漁協珍味研究会」ついに活動開始でございます。



さてさて、コチラも「ウマヅラハギ」によく似た魚。
その名も「アミモンガラ」
基本、食用とはせず、
市場にならぶこともございません。

なぜ食用としないのか、
そのあたりのことを確かめるべく、
以前、料理を試みたことがあるのですが、
それがもう、これがもう・・・。
ガッチガチ。
硬いんです。

皮もウロコもザリザリガギガギ。
表面がギザギザのヨロイのようになっていて、
包丁も何も通さない。
無理やり皮を剥ごうとしたら、
反対にワタクシの指がザリザリに削れちゃいました。

それでも、くじけず頑張って、
長時間かけて、
やっと一切れの身を取り出すことに成功したわけですが、
味はそこそこ、悪くはない。
だけど、怪我して、時間をかけて・・・。
やっぱり絶対、割にあわない。
素人は手出し無用。
「アミモンガラ」をみかけても、
そっとしておいたほうが身のためですよ。



さてさて、こちらは「ウマヅラハギ」
引田では「ナガハギ」などと呼ばれたりもいたします。
そう、前回ご紹介させていただいたように、
養殖ブリなどのイケスの中に入れて、
網の掃除をしてもらったりもする便利なお魚さんですね。
でね、ちょっと待ってくださいよ。
ムムッ。
ムムムムムムッ。
ニセモノ発見。

皆様もお気付きでしょうか?
「ウマヅラハギ」の中に、
「ウマヅラハギ」のふりして、
「ウマヅラハギ」じゃないお魚が混じり込んでいるのを。
というわけで、
「ウマヅラハギ」によく似た「そいつ」を、
ご紹介させていただきましょう。
ニセモノはコイツだっ!

ジャジャン!
引田漁協魚市場より「ニザダイ」
市場ではあまりみかけないお魚です。
それもそのはず。
こちらでは漁獲量も少なくて、
食べても磯臭くってあまり美味しくはないんですって。

また、尾ビレ付近には、鋭く硬い骨質板があり、
うっかり素手で掴んだりすると怪我しちゃう恐れがありますので、
皆様も取扱いには充分ご注意下さいね。



「ウマヅラハギ」をドサバサドサバサ。
「ひけた鰤」を養殖する「大型小割」の中へ移し入れてまいります。
その音に反応して、
ブリたちがぐるぐる泳ぎながら、
水面近くまで浮き上がってまいりました。
ワー!ワー!
でね、どうして「ウマヅラハギ」を、
養殖のイケスに入れるのかといいますと、
なんと、彼らは「お掃除係」
「清掃要員」といってもいいでしょう。
こうして入れておくだけで、
イケスの網につく、
藻類や甲殻類、貝類、その他イロイロな物を食べてくれるんです。
おかげでイケスの網はキレイに保たれ、
目詰まりをおこすこともなく、
人が掃除する必要もないわけなんです。
さらに「ブリ」の出荷時期になると、
彼らも充分に餌を食べて成長しており、
そのまま出荷できちゃうわけなんですね。
ウマヅラハギって便利でしょ。
コレを考えた人もスゴイでしょ。
どこのどなたかは存じませんが、
この素晴らしいシステムの発案者に、
惜しみない拍手を送りたいと思います。
パチパチパチ。


そして到着。
こちらが「ひけた鰤」を養殖する、
引田独自の「大型小割(おおがたこわり)」
25m四方で深さも25m。
あまりにも巨大すぎて、
その全貌を写真に納めることはできません。
ま、もうちょっと離れたところから撮影すればできるんですが、
気付いたときには接近しすぎて、
ホントにカメラに納まり切らない。
ああ残念。

そんなことなどお構いなしに、
船の上では漁師さんたちがいっせいに動き始めます。
販売部Kさんもいっしょになって、
さきほどの「ウマヅラハギ」をすくって移して。
「ひけた鰤」を育てている大型小割の中へと、
どんどんどんどん移し入れてまいります。
ドバザバドバザバ。
一生懸命。
バシャバシャバシャバシャ。
馬車馬のように働きます。


ウマヅラハギをすべて移し終えると、
待ち合わせの船とはここでお別れです。
活け間にハギを泳がせながら、
エサやり船はそのまま沖へと向かいます。
ドドドドドドドド。
揺れる船上。
ザバザバザバザバ。

ハギといっしょに混じって入った、
クラゲやメバル、その他の魚を、
アミですくって海へと逃がす。
移動の間も漁師さんたちの仕事は続きます。
あいもかわらず風はビュービュー。
ドドドドドドド。
ザバザバザバザバ。
ビュービュービュー。
エンジン音を響かせて。
我らとハギを乗せた船は、
「ひけた鰤」養殖漁場を目指してバリバリ進んでまいります。


えいさほいさ。
謎のお魚を次から次へ。
アミですくって、どさどさカゴへ。
そのカゴを今度はヨイショと持ち上げて、
ハカリにドスンとかけまして、
販売部Kさんが計量チェック。
そしてそのまま、
水を張ったエサやり船の活け間へザバン。
同じ作業を何度も何度も繰り返し、
ついにすべての魚を移し終えました。
それではそろそろ、
「ひけた鰤」の養殖に関係する、
そのお魚を発表したいと思います。
ジャジャン!
秘密のお魚の正体はコチラ。
「ウマヅラハギ」
ワー!ワー!
で、この「ウマヅラハギ」がどのように、
ブリ養殖に関係してくるのかは、
まだまだ秘密なのでございます。


荒れ模様の海へと飛び出した餌やり船。
エンジン音を勇壮に響かせて、
強く吹きつけてくる風を、
切り裂くように先へ先へと進んでまいります。
「お、おったおった」
遠くに小さく漁船を見つけると、
すばやく合図を送る漁師さんたち。
そしてそのまま、
風の影響を受けにくい地点へ移動。
待ち合わせの漁船も、
あとに続いて、ゆっくり移動してまいります。
そしてそのまま横並び。
用意ができたら作業開始。
えいさほいさと船から船へ。
計量してから活け間へザバン。
餌やり船へと、
「ひけた鰤」の養殖に関係する、
「秘密の魚」をドンドン積み込むわけでございます。






